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デジタルナイトララバイ

 日ごと寒さがつのりはじめた。みちみちで鯛焼きやタコ焼きをハホハホ言いながら頬ばるのが楽しい季節である。ああいう鉄板焼おやつの店を、なんと呼ぶのだろう。和製ファーストフード?

 さて、これは京王新線『初台』駅前で見つけた物件。「鯛焼きの一匹買いも大歓迎」という度量のある店で、その名も『一匹や』。心意気が店の名前にも表れている。しかし……心意気以外にもいろんなメッセージが看板に表れていて、それがなんなのかよくわからないのである。

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 まず『タイ焼くん アナログ。

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 続いて『タコ焼くん デジタル。

 タイ焼のどこがアナログで、タコ焼のなにがデジタルなのか、じゃぁイカ焼くんはテルミンか? なにもわからない。

 お店が閉まっていたために、その意味を伺うことができなかった。そして後日、再びお店を訪れ、老主人にこの「アナログ デジタル」のわけを訊いた。

老店主「タイ焼ってのは昔からあって、お年寄りも好きじゃない? だからアナログ。タコ焼ってのは若い人が食べるから、デジタル

 ひえ~、そんな斬新な理由があったのか! 若い人が食べるからデジタル! このブッ飛んだセンスはどうだ。オーディオ・アクティヴ!(意味不明)。石坂敏左衛門さんというお名前といい、なにもかも素晴らしすぎる。

 タコ焼をデジタルと呼ぶ先鋭的なセンス、いったいどうやって培われたのだろう。ご主人は小気味よいリズムで鉄板のうえのタコ焼くんをクルクルひっくり返す。クルクルミラクル。そうか! このポーズ、この作業、まさにテクノではないか

追記1:大阪出身のおれには、タコ焼きこそ老若男女が食べるものという感覚があったが、東京ではそうではないということもわかって勉強になった。

追記2:タコ焼きの話ばかり書いてきたが、この店のタイ焼は超絶的なうまさである。タコ焼がデジタルならば、タイ焼はビッグバンドジャズ。カウント・ベイシー楽団のように熱くて楽しくて実だくさん。

by yoshimuratomoki | 2004-11-16 21:03