コーヒー・スコッチ・マーメイド

 女性誌のランチ紹介ページを担当していた頃は、ずいぶんたくさんのパスタを食べた。専門店のパスタは確かにうまい。でも本当は喫茶店の鉄板焼スパゲティのほうが好きだ。じゅうじゅう音をたてるケチャップソースまみれの太め麺、千切りにされた赤いハム、そしてザク切りのタマネギやピーマンの苦みがたまらない。これに粉チーズをてんこ盛り。こんなンマイもんないよ。

 お客がみんなミートスパゲティを頼むという評判の喫茶店を取材したことがある。実際に食べさせていただくと、なるほど、トマトソースにほのかなよい香り。そして味にコクがある。この味の秘訣はなんだろう。

 ご主人にうかがうと、隠し味はなんとコーヒー。ミンチ肉をいったんコーヒーに漬けるのだという。そうすると肉のクサみが取れるうえに、味が深まるのだとか。喫茶店のスパゲティはパスタの世界では邪道かもしれないが、隠し味がコーヒーなら、喫茶店のほうが「専門」だ。

 しかしスパゲティはいいが、「ラーメン」はどうなんだ!

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 これは京成本線『お花茶屋』というサイケな名前の駅前で見つけたもの。店名はご丁寧にアロマ。

 しかしコーヒー味のラーメンって、味が想像できないのだが? 早速、名物の「珈琲味ラーメン」を注文。すると「手間がかかるから、もうやってない」んだとか。残念! 訊けばスープに大量のコーヒーを使用し、麺にもコーヒーを練り込んであるとか。それは確かに手間がかかるよな。

 さて気になったことが、ひとつ。珈琲味ラーメンの食後は、いったい何を飲めばいいんだろ
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by yoshimuratomoki | 2004-10-29 12:09

ミスターどん兵衛

 今回のネタは、ナウいヤングは置いてきぼりで書かせていただく。これはJR京浜東北線・横浜市営地下鉄線『桜木町』駅前のラーメン屋さんで見つけたもの。思わず「山城新伍の店かよ!」と声をあげてしまった。

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 『チョメチョメラーメン』って!

 チョメチョメとは山城新伍司会のクイズ番組『アイアイゲーム』(日本テレビ系 1981~1989)から生まれた流行語。「男と女がすることといえば、チョメチョメ。さて、なんでしょう」といったお色気出題でたいへんな人気を博した番組である(レギュラーになぜかクロード・チアリがいた)。この番組を観てたら、いつも親から怒られたよなぁ。

 「チョメチョメ」のように、テレビからはさまざまなお色気流行語が生まれた。「ニャンニャンする」なんてのもそうだ。おれの記憶が間違っていなければ、「エッチする」とテレビで初めて言いだしたのは島田紳助だったはず。また、堂々と「コーマン!」と言ってのけたのはビートたけし。映画監督のロジャー・コーマンの名前を聞くたびに、コマネチポーズのたけしさんを思い出して、つい吹き出しそうになる。

 ……と、ここまで書いて、この連載をはじめる前にexiciteの方から「エッチなネタはやめてください」と言われていたのを、すっかり忘れていた。どうか、おめこぼしを(by笑福亭鶴光)。
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by yoshimuratomoki | 2004-10-28 20:53

チープ・トリック

 これはJR大阪環状線・阪和線『天満』駅下車、天神橋筋商店街の画材店で見つけたもの。

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 『ちょっと私……安すぎやしないかしら……なんちゃって ホホホ!!』

 安すぎるも何も、これでは額縁代のみである。こんなに安くては下着も買えないと、この笑い飯・西田みたいなヘアスタイルのおばちゃんがグチるのも無理からぬこと。安い=美徳である大阪の概念に戸惑っていらっしゃるようだ。

 とはいえ、このフキダシ込みで売ってくれるなら、買ってみようかな。芸術新潮あたりで「アンディ・ウオーホルの『キャンベルスープ』以来のポップアート」として評価されるかもしれない(ありえん、ありえん)。

 安いといえば、ゴッホは生前にたった1枚の絵しか売れなかった。それもタダ同然の値段で。ゴッホが評価されたのは死後だ。
 これは絵画の世界ではあまりにも有名なエピソードだが、ある画廊主に訊くと、「ゴッホはあくまで特異なケースであり、画家が死後に評価されたり、絵の価格が吊りあがることは、ほとんどない」のだとか。絵は「作者が今後もっといい作品を生み出すだろう」という期待値が価格を決定する大きな要素。だから寡作の画家より多作の画家の方が値段が高いのだとか(てっきり逆だと思っていた)。そして亡くなると値段の上昇はストップし、むしろ下がっていくのだという。絵の値段がそんなふうに決まるなんて知らなかったし、まして死後は値段が安くなるなんて思いもよらなかった。

 だからといって、あのモジリアニの絵がこんな安いとは! 裸婦が文句たれるのも無理ない。もちろんこれは複製画だが、ちょっと安すぎやしないかしら。ところでこれ、モジリアニであってる?(ゴーギャンのような気も……)。そんなことも知らない私。ホホホ!!
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by yoshimuratomoki | 2004-10-25 14:53

ダーク・ホース・イヤーズ

 台風一過で久々の晴天となった10月22日の金曜日、つまり昨日のこと。おれは青空を見上げ、「天高く馬肥ゆる秋だなぁ」と独り言をつぶやきながら、JR中央線・総武線、京王井の頭線『吉祥寺』駅の商店街をぶらぶら歩いていた。

 そして、居酒屋の前で、こんな看板を見つけた。

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 『馬でお越しのお客様は ここにお繋ぎ下さい』

 確かに吉祥寺はハイソサエティ・タウン。乗馬をたしなまれる方も多いに違いない。だからって、馬で駅前にやってくる人はさすがにおらんだろう。華原朋美じゃないんだから。もしそんな人がいたら、それは吉祥寺のUMA(未確認生物)だ。

 馬といえば、(以下メモランダム)

・世田谷区の『馬事公苑』を取材した時のこと。苑内には稀少植物が育つ日本庭園があるのだが、そこには「馬のみ進入禁止」という看板が立っている。馬が草を食べないようにとの警告なのだが、問題はその看板を「馬が読めるか」だ。人間と長く暮らすうちに、日本語が読めるようになったのかもしれない。

・高知県に『ハルウララ ミュージアム』ができるそうだ(正式名称は知りませんが、できるのは間違いない)。

・女子はよく、「いまは彼氏がいなくても、いつかきっと白馬に乗った王子様が迎えに来てくれる」と言う。しかし、実際に王子様の恰好をして白馬にまたがった男が玄関の前に立っていたら、どうするつもりだろう。きっと警察に電話すると思うのだが。
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by yoshimuratomoki | 2004-10-23 16:08

カフェ・アプレミディ

 このexciteオフィシャルブログでは、フリーエディター山村光春さんがカフェにまつわるエッセイを連載なさっている。更新が楽しみな、極上のエッセイである。

 カフェは、いい。ソフトロックやフレンチポップス、スゥイートソウルやクールジャズなどおしゃれ選曲に身をゆだね、本や雑誌のページをめくったり、ゆったりともの想いにふけったり。ほっこりひと息つけて、ささくれた心をリセットしてくれる素敵な空間だ。

 しかし、カフェは場所を選ぶ。渋谷や裏原宿、代官山、自由が丘などはカフェがピッタリ合う街。しかし、おれの偏見かもしれないが、なぜか新宿にカフェは似合わない。新宿はカフェではなく、やはり「サ店」がジャストフィットする街だ。特に西武新宿線『西武新宿』を最寄り駅とする歌舞伎町は、日本でも屈指の「カフェが似合わない街」だろう。

 そんな歌舞伎町で、カフェを見つけた。そしたら案の定、こうなっていた

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 なんという歌舞伎町STYLE。かきあげうどん、きつねそば、天ぷらそば……。どれもおれの大好物だが、さすがにこれはカフェメシとは言いがたい。どっちかというと、大衆食堂の定番食である。あったかいキャラメルマキアートなぞ飲みながら、天ぷらそばをずるっ。やっぱ、無理だって!

 2年か3年前、大阪でも同じような経験をした。おれはB級ネタ御用達人間と思われがちだが、一応「トレンドライター」の端くれなので(端の端の端だが)、たま~にカフェ取材なんかもやるのである。

 カフェメシがブームの時、大阪に「カフェ鍋」なるものが登場した。豚しゃぶや水炊き、味噌煮込みなどを小ぶりの鍋で供するのだが、いくら小ぶりだからって、鍋は鍋。けっこう腹が膨れる(なんせ、あとでおじやにしてもらえるのだ)。お客のOLさんたちが、パンパンに張ったお腹をさすり、つまようじで歯をせせりながら店を出る。

 その光景、もはやカフェじゃない。飯場だよ!
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by yoshimuratomoki | 2004-10-19 11:03

パンダ&HAL

 以前このブログで『今日のパンダ』というパンを紹介した。この記事を読み、実際にお店に足を運んでくださった読者もいて、あまりのリアクションの大きさにコラムを書いたおれ自身が目を白黒させている次第。

 しかし「今日のパンダパン」をさらに上回る、驚きジャイアントな食べ物がある。コレダ!

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 断じて徹夜明けで疲れた受験生ではない。『パンダうどん』だ。これは我がホームベースであるJR中央線・総武線『高円寺』駅周辺で見つけたもの(見つけたというか、実はうちの事務所は、このうどん屋さんの真裏にあるのだ)。

 うどんとパンダ。一見、強引すぎる日中友好にも思えるが、実はうどんとパンダには遠からぬ関係がある。うどんはそもそも、中国から伝わってきた食べ物なのだ。

 ではお話しましょう。うどんの話(by長井)。うどんの伝来には諸説あるが、有力なのが奈良時代に遣唐使が持ち帰った「唐菓子(からがし)」が原型説。これは小麦粉を団子にして熱く煮立てたお菓子。現在のうどんとは形状が程遠いが、小麦粉を練ったものを熱して食す文化はそれまでの日本にはなく、これがうどんの原型だと言われている。また平安時代に弘法大師が中国からうどんを伝えたという文献も残っているそうだ。

 鎌倉時代には、禅僧たちが中国から製麺の技術を学び、麺棒と包丁を用いた「切り麦」が生まれる。これはもう、現在のうどんとほぼ同じものだ。どの説にせよ、うどんが中国からやってきたものであることは、みゃちがいない!(by長井)。

 奇をてらっているかに見える『パンダうどん』だが、実はうどんの歴史を丼のなかで繙いているのである。ジャパンダネスクなのである。奇妙な取り合わせとしか思えないプリンがついてくるのも、かつてうどんがお菓子であったことを、お子様たちに暗に伝えているのだ。知らんけど


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10月16日(土)、僕が日頃撮り集めているVOW系おもしろ写真の上映会をやります。街がいさがしでも紹介した写真、未発表の新作など200連発! 生コメントでブチかまします

 題して『吉村智樹のひとりVOW! ~街がいさがし~

 場所は新宿ロフトプラスワン。ぜひ遊びに来てくださいね。皆さんとお会いしたいです。

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by yoshimuratomoki | 2004-10-14 05:57

ハンサム・カウボーイ

 以前このコーナーで「“ナウイ”と噂の店」という看板を紹介した。「いまどき『ナウイ』だなんて誰も言わないよ」なんて書いたら、なんと先日、看板が撤去されてしまった。まさかこのコラムのせい? 店主が「ナウイって死語だったのか! ナウイはナウくなかったのか……」って気付いて、はずしてしまったのか? あのコラムは死語を嗤ったわけではなく、むしろ昭和の流行語遺跡として貴重な看板だと言いたくて書いたのだが……。

 あとでわかったことだが、死語を気にして看板をはずしたわけでなく、看板のあった土地ごと再開発がかかったのが理由だという。残念! ナウイが消えてしまった斬り!(語呂悪ッ!)。昭和はさらに遠くなりにけり。再開発があると、看板が根こそぎなくなっちゃう。そういう点でも、おもしろ看板は見つけたらすぐに撮っとかなきゃいけないんだよね。

 ショックでガックシ肩を落としながら東武東上線『中板橋』駅前をぶらぶら歩いていたら、嬉しくなるほど死語ってる看板に出くわした。

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 『ハンサムらーめん』だ。「ハンサム」って、いまの若い人はまー、使わんだろう。

 ハンサムが死語化したのは、ナウイとは経緯が違う。言葉だけではなく、ハンサムボーイそのものがいなくなってしまったからだ。ハンサムとは「男前」という意味。なのだが、単にカッチョイイ男という意味ではない。目鼻立ちがくっきりしていて、清潔感があって、Vネックのセーターが似合い、ワルなムードがなく、ヒゲをきれいに剃りあげ、髪は短く整えられた、男性化粧品の香りがするような男のことをハンサムという。

 俳優で言えば、若い頃の中井貴一がズバリ、ジャスってる。ベスト・オブ・ハンサムくんだ。髪はぴっちり横分け、鼻立ちはありえないくらいクッキリ。テニスルックの似合うあの感じは、まさにハンサム。あと三浦友和。いまでも紳士服のCMができるのは、永遠のハンサムくんの証。その他、竹脇無我、森田健作、『柔道一直線』や『刑事くん』の桜木健一……、あ、もう誰もついてきてない! 顧みるに、阿部寛と唐沢寿明が最後のハンサムではなかったかと思う。ふたりがコミカルな役をやるようになったのは、ハンサムという存在自体が笑いを誘う時代になったからだろう。そして日本にハンサムボーイがいなくなってしまったから、往時を忘れられない熟女さんたちが韓国のペ・ヨンジュンに夢中になるのである。

 だからいくら男前でも、浅野忠信や、名前を忘れたけど『東京湾景』に出ていたラーメンマンっぽいヒゲをはやした男は、ワイルドすぎてハンサムとは呼べない。ハンサムらーめんの店員にはなれない。

 では、なんと呼ぶか。もちろん『イケ麺』だ!


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by yoshimuratomoki | 2004-10-12 06:55

ヘアカット100

 JR横浜線『中山』駅の線路沿いをぶらぶら歩いていた時、ストレンジな看板を見つけた。

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 一見なんの変哲もない美容院の看板。店名も『ローズ』。別におかしくない。美容院名のデフォルトである。問題はイラスト。男女がなぜか思いッきり喧嘩してるのだ。

 おそらくこの女性は客、男性は美容師なのだろう。

女「あんた、なによ、この髪型! こんな髪型にしてくれなんて頼んでないわよ!」
男「うるさい! 土台が悪いんだから仕方ないだろ!」
女「悔しい~ッ! お金なんか払わないわよ!」
男「黙れ! さっさと1万円置いて帰んな! 出口はあっちだ!」

 ってな会話が繰り広げられているのだろうか。なんにせよ、このイラストにどれほどの広告効果があるのか不明だ。

 思うに美容師さんは、それはそれはたいへんな仕事だ。人にはそれぞれ合ったヘアスタイルがある。だから美容師さんなりのスタイリングのプランもあるだろう。なのに客はタレントの写真の切り抜きなんぞ持ってきて、「こんなふうにして」と無茶を言う。その髪型にすれば、自分もそうなるかの如く。「伊東美咲みたいにして」と平気で言ってのける伊東四朗そっくりの女もいるだろう。「小雪みたいにして」とのたまう雪崩みたいな女もいるに違いない。この看板は美容院側からの「無茶をおっしゃらず、私どもプロにお任せください」というメッセージが込められているのかも。

 髪型を変える時は、まず鏡のなかの自分と相談すること。ご理容は計画的に

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by yoshimuratomoki | 2004-10-08 17:12

「それを言うならカモシカの脚のような足や」(by松本人志)

 特別天然記念物に匹敵する、貴重な病院を発見した。

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 『カモ歯科クリニック』。決して山岳地帯にある病院ではない。西武池袋線『富士見台』駅前の商店街で見つけたものだ。なるほど、確かに山っぽい駅前である。MUGO・ん…山っぽい。

 カモ「シカ」と「歯科」。一見、しょうもないダジャレだ。しかし、このふたつは決してダジャレでは済まされぬ強い結びつきがある。

 ニホンカモシカは、先述したように特別天然記念物。そして準絶滅危惧種だ。永久歯のように、一度失ってしまったら、再び甦ることはない。さらにニホンカモシカは冬の間も堅い木の枝や樹皮をガリガリ噛って生き延びるガリガリ君。たいへん歯の丈夫な生き物だ。人間の歯も、かくありたいもの。そしてニホンカモシカの保護にあたっていらっしゃる方は、カモシカの歯周病や歯槽膿漏にたいへん気を遣い、そういった症状を見つけ次第、治療を施しているというという。歯の病気のために種が滅びることが、本当にありえるからだ。

 ニホンカモシカのように、いつまでも丈夫で、滅びない歯を。この病院は、そんな想いを込めてこういった院名にしたのかもシカ。

追記:ニホンカモシカは、その名前からシカの仲間だと思われがちだが、そうではない。ましてカモでもない。実はウシ科の動物だ。



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by yoshimuratomoki | 2004-10-03 23:08