DAICON FILM



 きのうは暑かった~。洗濯物がみるみる乾いてゆくので驚いた。ジーパンが、わずか3時間でゴワゴワ。

 とはいえ、こんなカンカン照りの日こそ街がいさがし日和。キリッとした写真が撮れるから。僕はカンカン照られながら、京浜東北線沿線を歩いた。

 JR京浜東北線・鶴見線『鶴見』駅をカンカン歩いていると、こんな喫茶店が。

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 『喫茶 大根』。なぜに喫茶店が大根? 確かに鶴見は呑み屋が列をなす歓楽街。大根茶は二日酔いに効くそうだけど

 大根といえば、僕は常々「大根が迫害されているのではないか?」と思っていた。

 洋菓子店やカフェに行けば「キャロットケーキ」「パンプキンケーキ」など野菜菓子がたくさんある。でも人参もかぼちゃも、もともとは「おふくろの味」を代表する煮っころがし系だった。それまで醤油くんとおつきあいしていたのだ。

 それがいまやオシャレスゥイーツに姿を変えている。まるで田舎の少女が原宿でスカウトされて、グラビアアイドルになったかのよう。事務所から「昔の男との仲は清算するように」と言われて、醤油くんをふったのか? ベジタブリッコめ。

 なのに大根ケーキが洋菓子店のショウケースに並んでいるのは、見たこともきーたこともない。大根は93%が水分で、かつビタミンCが豊富。葉にはビタミンA、カロチン、たんぱく質がたっぷり。栄養があるうえにいくら食べても太らないし、食あたりもない(あたらない、当たり役がないことから大根役者と呼ばれるようになった)。ダイエットに最適な野菜だ。「辛い」というイメージがあるが、煮れば甘くなる特質もある。

 それに大根はもともと地中海沿岸からシルクロード経由で日本にやって来たロマネスクな一面もある。「大根足」だって、起こりは「足が白い」という褒め言葉だった。こんなにフェミニンな野菜はないのである。

 この店には、ぜひ大根ティーと大根ケーキで、大根足の女性たちを癒すヒーリングカフェになっていただきたい。

 てなこと言いながら、以前もこの連載で書いたけど、僕は切り干し大根が食べられない。ニオイもダメ。ほかの大根料理は好きなんだけど。常に干される恐怖に怯えてるからか?(吉村智樹

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by yoshimuratomoki | 2005-07-29 03:06

ファニーフェイスめるへん



 コメント欄のkojikaさんの投稿を読んで、このブログが一周年を迎えていたことに気付く。一年やりましたよ! 一年で123回もやったんだ。我ながら呆れ、いや驚く。自分で自分を褒めてあげたい。でも自分で褒めてもムナシイだけなので、誰か褒めて。褒められて伸びるタイプなので。

 きのうは台風一過で爽やかな気候。空は蒼く澄みわたり、空気の汚れも雨や風がさらっていき、ついでに仕事のやる気もさらっていき(あかんがな)。そういうわけできのうは丸っぽ一日、自転車で街をさまよった。

 西武新宿線・都営大江戸線『中井』駅前で、こんな店を見つけた。

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 『不細工な親父と料理のまずい店』。いいとこないがな。

 しかしだ。よく「不細工な魚はおいしい」と言われている。アンコウやクエはとびきりブッサイクだが、魚肉は実にうまい。またカサゴやオコゼも感動的なまでに顔が大パニックだが、煮て良し揚げて良し、たいへんおいしい魚だ。カサゴはあまりに不細工なため江戸時代は「つら洗わず」などとヒドい呼ばれ方をされ、誰も食べなかったのだそう。ほかにも顔があまりにも変なので「ウマヅラハギ」と名付けられた魚もいる。どれもいまでは高級魚だ。

 反対にギンタナゴは見た目はその名の通り全身が銀色で、とても美しい。季節を呼ぶ魚として初物を好む人はたくさんいる。しかし、あんまり「うまい」という話は聞かない。よく言えばあっさりしているが、いちゃもんつければ味が薄い。特に身体の大きなものは、まったく味がないという。不細工な魚ほど味にコクがあるのだ。

 人間もそう。イケメンシェフのデザイナーズレストランより、不細工な親父が作る居酒屋料理の方がうまい気がするんだが。

 以前、甘いマスクで女性に人気のオーナーシェフを取材したことがあるが、髪はディップでべっとり固め、整髪料や男性化粧品のにおいプンプン。その人の料理、あまり食べたくなかった。

 と、不細工なライターが申しております。ほっといてくれ!(吉村智樹

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by yoshimuratomoki | 2005-07-28 04:53

スローボート・トゥ・チャイナ

 きのうは台風だっていうのに総武線沿線を「街がいさがし探し」してきた。我ながら酔狂なこと。

 埼玉の方では台風の影響で電車が停まってしまったようですが、皆さん大丈夫でしたか? 地震に続いて台風とは。あとは火事とオヤジに気をつけましょう。

 以前この連載で『居酒屋せまいの』『スナックちびっこい』という店を紹介した。JR総武線『新小岩』駅前で、これに続くミニマムなお店を発見。

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 『小料理 チッチャイナ

*店名になぞらえ、今回は画像もチッチャくしました

 てっきり「中華料理とかけてんのかイナ?」と思いきや、本当に店の狭さと小料理だけを指す店名なようだ。

 僕の高校時代、女子に将来の夢を尋けば、たいてい「小さなお店のママになりたい」という答が返ってきたものだ。駅前にミニスナックや小料理屋が建ち並ぶ街で育ったからかもしれない。

 いまだから言うが、高校生でもうスナックで働いてる女子も多かったし、そのままチーママを経て卒業後ママになった子も。好きな子の店に飲みに行ったりしたよなぁ。金もないのに見栄張ってフルーツ頼んだり、8トラックのカラオケに合わせてタンバリン叩いたり……アホな日々。

 しかし実際に開業するとなると、たいへんだ。ママひとりに70人の常連客がいて、70人にモテて、やっと家賃が払えるという。一見客じゃないですよ。常連客ですよ。店はミニマムでも、人脈はマキシマムじゃないとやってけないのだ。甘い考えでいると、ベテランママさんから「そんな計画性なく店を開こうなんて、やめチャイナ!」と叱責されるだろう。

 最近は飲みに行くといえば、注文するたびに「へい! 喜んで!」と、さほど喜んでなさそうな目で言われる安い大型居酒屋チェーンくらい。行きつけのスナックや小料理屋の一軒は持って、レッツ飲みニケーションしたいものだ。もう大人だし。

 しかし「チッチャイナ」ってママから言われると、男はけっこうショックなんだけど(吉村智樹


 『吉村智樹の街がいさがし』(オークラ出版)

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by yoshimuratomoki | 2005-07-27 03:50

イン・ザ・ミソスープ

 今日は涼しいですね。僕は暑さには強いが気温差に弱いので、こういう日の方がバテ数値がアップする。

 なんか氣合いの入るもの食わなきゃなぁ。冷やし蕎麦、焼肉、いろいろ巡ってみたものの、もひとつ胃が受けつけてくんない。着てはもらえぬセーターを寒さこらえて編んでる感じ。あいかわらずワケわからん。いっそ点滴飲んだろか。飲んでどうする。

 そんなことを霞のかかった頭で考えながらJR中央線・総武線『三鷹』駅前を這っていると、ある中華料理店にこんな貼り紙が。

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 『てまえみそラーメン』『手前

 手前味噌というのは、「自画自賛」を意味する言葉。江戸時代、町民が自家製味噌を他人に自慢しあったことが語源。どっちかと言うと悪いニュアンスで、いい意味で使われることは極めて少ないんだがなぁ。

 それになんで「手前」だけこんなに手前に。しかもこんなに大きく。大手前短期大学か。ポイントは味噌じゃないのか? なんで手前メインなんだろ。しかもちっちゃい字で「旨」って書いてあるし。そこを小さくしてどうする。

 しかし味噌ラーメンは手前味噌、自画自賛に値する素晴らしい発明だ。味噌ラーメンは断じて単なる味噌味のラーメンではない。味噌の強さに拮抗すべく、スープベースは豚骨からダシをしっかり取り、さらにラードやニンニクなど荒くれ精鋭陣を援軍につける。ここがミソ。つまりスープベース自体が味噌ラーメン仕様なのだ。

 さらにこれにキャベツなど大量の野菜が投入され、栄養価は他のラーメンとは段違いのベストGUY。夏バテ追放にうってつけの完全栄養食なのである。全米が震撼した、M、I、S、O、MISOラーメン!

 で、結局、食べませんでした。な~んか胃に重そうな気がして。どないやねん、もう(吉村智樹

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by yoshimuratomoki | 2005-07-22 19:00

everybody goes~秩序のない現代にドロップキック~

 食欲がないんじゃない。噛むのがジャマくさいんだ

 そんな季節です。とはいえ冷やし蕎麦ばっかり食べてちゃダメだよな。やっぱりお肉を食べないと。いや食べるというより、食べさせていただくという概念で……。でも肉を噛むのがメンドっちくてなぁ。

 てなことを思いめぐらせながら炎天下のなか都営新宿線『曙橋』駅前を歩いていると、こんな店があった。

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 『焼肉ドロップキック

 ドロップキックとは、言わずもがな空中で両足を揃えて相手の胸板に蹴りを放つプロレス技。滞空時間が長ければ長いほど、蹴りを入れる際のジャンプが高ければ高いほど美しく見える華麗な技だ。

 かつては仮面貴族ミル・マスカラスの16連発スカイハイワールド、マスカラス・ブラザーズの交差空中戦など、フォームの乱れぬドロップキックがお茶の間を沸かせたものだ。

 で、そのドロップキックと焼肉、いったいどういう関係が? 注文したお肉が飛んでくるのだろうか。

 そういえば、僕は焼肉を食べるのが下手だ。いつも順番を迷う。

 例えばレバ刺とカルビとごはんを注文するとしよう。
 レバ刺は冷たいうちに食べたい。ところがレバ刺を食べてるうちに、ご飯がぬるくなってくる。ホカホカご飯にカルビを乗せて食べようと思ったら、すぐにカルビを焼かないと。レバ刺しは後回し。すると今度はレバ刺しがぬるく……(以下、延々繰り返し)。なにがなんだかわからなくなって、気がつけば、いつでもいいはずの豆モヤシばかり食べてたりする

 なかなか足並みがそろわない。うまくいかないものだ。ドロップキックのようには(吉村智樹

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by yoshimuratomoki | 2005-07-19 22:45

ゲット・ビハインド・ミー・サタン

 だるいねん

 と月に吠えてもムナシイぜトゥナイト。もうバッテバテ。私はバッテラ。身体がだるくてだるくて。腹はへってるのに食欲がないという、「好きなんだけど、言えない」みたいな状態(←意味わかんねーよ! とセルフ田中ツッコミ)。

 こういうときは、やっぱり麺類に限る。しかもクールネスなやつ。心はすっかり「冷やし蕎麦」モードに確変。嗚呼、冷やし蕎麦に冷やされたい。愛するために愛されたい。

 そういうわけで愛しの冷やし蕎麦ちゃんを求め、自転車でふらふらと青梅街道へ。

 東京メトロ丸ノ内線、都営大江戸線『中野坂上』駅にさしかかった時、ショーケースに冷やし蕎麦がズラリ並んでいる店を発見! オ、オアシスだー!(オアシズにあらず)。

「冷やしたぬき、いいなぁ。冷やしきつねもまたオツなもんでゲスなぁ。あたしゃあなたのソバがいい、なんてことをね」と無駄に江戸情緒を演出した都々逸口調で考えていると、そのなかに一品、悪魔のようなあいつが……。

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 『悪魔のささやき』。見たところ大根の、おろし蕎麦。

 はは~ん。パスタでもラーメンでも、激辛モノはよく「悪魔風」とサタニックなネーミングがなされているもの(とはいえ和食でこの名前は初体験だが)。この蕎麦もきっと、おろした辛み大根やワサビが強烈にキいているはず。

 しかし事態は急変。そうは問屋がおろし蕎麦だったのである!

 頼んだ『悪魔のささやき』にツユをまわし注ぎ、覚悟の一口。

「から! ……くない……。あれ?」。

 まったく辛くない。大根もワサビも確かに辛みアクセントとなっているものの、あくまでノーマルレベル。それどころか揚げたて海老天がプリプリでとてつもなく美味しく、まるで天使の楽園。箸でいくらひっくり返しても(特に左端を)悪魔がいない。おーい、悪魔くーん、どこにいるのー?

 お店の女の子に「これのどこが悪魔なの?」と問うたところ、彼女はこう、ささやいた。

 「悪魔のように、おいしいから」。

 想定の範囲外に哲学的な答が返ってきた。悪魔のように、おいしい……。これは難問だ。クイズ悪魔のささやき……。

 お腹は満足されど頭は混乱したまま、店を出た。そしてもう一度、この店のショウケースを見た。するともう一品、気が遠のくようなメニューが。

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 『乙女の祈り』。蕎麦にパイナップル? ん~、どっちかというと、こっちのほうが悪魔っぽいんだが。

 この店、かなりの老舗のようだが、このようにたったふたつだけ際立って抽象的な名前の品があるのだ。なぜだろう。夏のせいかしら?(吉村智樹)。

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by yoshimuratomoki | 2005-07-15 22:28

H・G Fooー!!!

 昨日に続き、大阪出張のおりに見つけたネタです。

 JR大阪環状線『玉造』駅前をほっつき歩いていたら、一軒のスパゲティ専門店があった。おしゃれなパスタショップではなく、懐かしの洋食屋ムード。

 小腹も軽くぺこってたし、なによりレトロめいた店が好きなので、なかに入ってみた。

 てっきりナポリタンorミートソースの二種しかセレクトできない店(僕はそれをセレクトショップと呼ぶ)かと思いきや、意外にも品揃えが豊富。

 品書きをつらつら眺めるうち、「んん!」。もう目が釘付けにならざるをえない薔薇族な一品を発見。

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 『夜のゲイボーイ』……。スパゲティとゲイボーイ、いったいどんな関係が?

 で、ここからは関西ローカルネタになります(他地方にお住まいの方、ごめんなさい)。

 大阪ミナミには老舗の有名ニューハーフ・ショーパブ『ベティのマヨネーズ』という店がある。このスパゲティはマヨネーズソースを使っているので、この名をつけたという。なるほど!

 でもニューハーフとゲイボーイは、厳密にはカテゴリーが違うんだけどな。ただ門外漢には、その境界ラインがわかりづらい。マヨうところだ(吉村智樹

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by yoshimuratomoki | 2005-07-14 02:16

オクトパス・ガーデン

 おとついと昨日の気温差が10度って……。もう寒くて寒くて、いったんしまった長袖シャツをまた引っ張り出してしまいました。夏バテって暑いからじゃなく、急激な気温差でなるんだよな。身体、ついてかないです。もうばてばて、ばってん荒川状態(意味不明)。皆さん、お変わりないですか?

 先週は4日間、大阪におりました。大阪出張時に撮った写真があがってきたので(デジカメ全盛のこのご時世に、僕はいまだにフィルムプリントなのです)、今日からぼち×2アップしてきます。

 大阪で久々にイラストレーターのせろりあんさんに会った。彼女が「面白い名前の店がある」というので、わざわざ車で連れていってくださった。せろりあんさん、ありがとう。土砂降りのなか、運転させてしまって、ごめんなさいね。

 その店が、コレだ。

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 『たこやき水族館』。これは京阪交野線『河内森』駅前で撮ったもの。たこ焼きが水槽のなかで、ぷかぷか。ふやけてしまうがな

 さて、今週末から三連休。このプチ夏休み、暑気払いに水族館へ出かけるのもアリ(アクアリウムの略)なんじゃないでしょうか。というわけで、タコのいる水族館を調べてみた。

・横浜中華街にある『よしもとおもしろ水族館』(吉本興業プロデュースの水族館)では、タコが自ら瓶の蓋を開けて餌を摂るショーがある。ほかにも73ある水槽のすべてが、なんらかのネタになっているそうだ。おもしろそう。僕はタコ→吉本とくると、ついぴのっきをを思いだしてしまう世代。

・静岡県沼津の『あわしまマリンパーク』の水族館には、深海で発見された、いまだ学名記載のないタコがいるそうだ。我が輩はタコである。名前はまだない。そんな感じ。せっかくなら公募すればいいのに。愛称はまだしも学名の公募はだめなのかな?

・秋田県の『男鹿水族館GAO』のレストランでは、タコの唐揚げがいただけます。

・兵庫県の明石港待合所隣接のレストラン『たこたこ亭』入口に、タコのミニ水族館ができました。本当にミニ……。『パパたこ神社』『たこフェリー音頭』も、気になる(木の葉燃朗)。

 残念ながら、タコ焼きを食べながら鑑賞できる水族館は、見つけられなかった。ちなみにこの『たこやき水族館』、なんとタコ焼きと熱帯魚の店なのです。せっかくなら、ついでにトロピカル焼き魚もいかがでしょうか?(吉村智樹

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by yoshimuratomoki | 2005-07-13 01:50

ストマック・クロー

 昨日、炎天下の新橋一帯をぶらぶら歩いてきた。

 新橋といえばオフィス街。よくテレビで「酔っ払いサラリーマンにインタビューしてきました」って企画があるでしょう? 赤ら顔のお父っつあんたちが頭にネクタイハチマキして、寿司の折り詰めを片手に千鳥足で歩いている、あのシーン。あれはだいたい新橋でロケしてるんですよ。
 だからオフィス街というより、アフターファイブ赤ちょうちん街。

 平日夜の盛りあがりぶりといったら、もう怖いくらい。焼き鳥とビール、愚痴と笑いが乱れ飛び、みんな明日への英気を康なっている。この夜の盛り場が、経済を動かす核心部なのかもしれない。

 そんな新橋だから、日曜はどの店も定休日。都心の超要衝駅かつ大規模な繁華街でありながら、見渡すかぎりシャッターが閉められているさまは、まるでゴーストタウン。

 日曜日に限ってこんなにひっそり静まり返るのは、山手線では新橋だけだろう。山手線のなかにある異次元空間だ。

 そんなノーバディ新橋をさまよっていると、一軒の和菓子屋が。ここには、さらに異次元の深部へ連れ去られるよなブキミな貼り紙が。

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 『切腹最中』……。波田陽区がよく買ってたとか? もなかの皮を割ると、なかから真っ赤な餡が溢れ出すのだろうか?

 例に漏れず、ここも定休日だったため、現物を買うことができなかった。残念! 

 あとでわかったことだが、この店は忠臣蔵で知られる浅野内匠頭が切腹した場所にあり、それにちなんでこの名が付けられたという。いや、別になにをちなんでもいいんだけど、よりによって、それにちなまなくても……。

 しかし、なんとなく気持ちわかる。切腹といえば、介錯がつきもの。介錯人は、切腹と同時に刀で頭を斬り落とす。その際、必ず首の皮一枚を残すのだそう。そうすると、首がおかしなところに飛んでいかず、目の前の穴にうまい具合にストンと落ちるのだとか。

 「自腹を切る」「首の皮一枚つながる」。サラリーマンの街で、これほどリアルに迫る和菓子はない。この街で働く人々は、これを食べて頭に栄養をゆき渡らせ、出世への武勇伝を生み出さんとしているのだ。♪武勇伝でんででんでん。それ波田陽区じゃないだろ吉村智樹

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by yoshimuratomoki | 2005-07-11 15:16

うぬぼれワルツ

 長い間、更新が停滞しまして、すみません。名古屋から帰ってきて、またすぐに仕事で大阪に行っておりました。夏風邪も治らぬまま。いまだツバを飲み込んだら、喉にチクッと痛みが。風邪じゃないのかな。

 東京に帰ってきたら、我がホームベース高円寺に、新たに居酒屋ができていた。その居酒屋の玄関に掲げられていた札がコレ。

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 『うぬぼれ中』。どうやら営業中という意味らしい。なぜに営業中が、うぬぼれ? よほど味に自信があるのだろう。居酒屋だらけの高円寺のなかで、新参店でもトップ人気になってやるという予告ホームラン? あまり自己過信して「うぬぼれ大」にならぬように。

 うぬぼれといえば、思いだすのが水仙にまつわるギリシャ神話。

 美青年ナルキサスは、多くの乙女たちに愛されたが、自分から人を愛することはなかった。そんなナルキサスが、生まれて初めて人を好きになった。それは湖に映った自分の姿。自分で自分を好きになってしまったナルキサスは、愛を告白することができず(なんせ好きになった相手が自分なので)、悶え苦しみ、死に至った。その亡骸は、やがて一輪の水仙に姿を変えた。

 ゆえに水仙の花言葉は「うぬぼれ」。そして自己愛の強い人はナルシストと呼ばれるようになった。

 僕は大阪に出張していたので、この店のオープン当時の様子を知らない。が、きっと開店記念の花は水仙だったろう(吉村智樹

 『吉村智樹の街がいさがし』(オークラ出版)

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by yoshimuratomoki | 2005-07-08 13:04