あの娘のファニー・フェイス

 またまた仕事で大阪に行ってきました。10月は、ほぼ週末、大阪で過ごしました。イイ感じです。

 大阪の看板の特徴は他都市に較べ、表現が圧倒的にストレートなところ。たとえば『鶴橋』駅前にあった、とあるウオータービジネス店の、この看板。

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 『ブス、ブタ、オバン追放店

 ストレートというか、「そこまで言うか?!」というか。ある意味、ここまで客側に立ってニーズに応えまくったコピーはない。

 しかし表現はストレートですが、逆に観念的なテーマをはらんでいるとも言える。それは「ブスって、どういう顔がブス?」「ブタって、何キロからブタ?」「オバンって、何歳からオバン?」という問題。

 エセフェミニストだと誤解されることを怖れず、気安めで言ってるわけでもなく、昔っからずっとガチで考えてることを、僕もストレートに書きます(10年以上前からあちこちに何度も書いているので、『もうええわ、その話』と読み飽きた方もおられるでしょう。でも本気だから何度でも書く)。

 「女性にブスもブタもオバンも存在しない!」

 ええかっこしいと思われるでしょうか? 思う存分思ってください。でもマブで僕の目にはそう見えるんだから仕方がない。反論があるなら、そういうふうに見える俺の目をこしらえた親に言って。

 ブスと呼べる女性に会ったこと、ありますか? 僕はないです。ものごっッッついきれいな人と、ごっついきれいな人、その二通りの方にしか会ったことも見たこともない。

 芸能人ならブスに特化した人をテレビで視ることはあります。たとえば漫才界のマリリン・マンソンことアジアン隅田とか。でも、それとてブスキャラを極めた人、ブスペシャリストじゃないですか。ブスを磨きあげた成果であり、それもまた美しい。

 「太っている」という概念も、なにを以てそう言うのか僕にはわからない。強いて体重で言うなら、僕の基準は80キロ以上がぽっちゃり141キロ以上が太っているの範疇に入ってくるのかな(以前140キロの女性とデートしたときに、『あぁ、ぽっちゃりしてはるな』と思ったので)。80キロ以下の方はガリガリ、ガリガリ君。僕はぽっちゃりさんがタイプですが、残念ながらそういう方にはめったにお会いすることができません。

 「痩せている」=美、では絶対にない! 痩せる人は、痩せた方がきれいだから痩せるのであって、痩せない人は、痩せない方がきれいだから痩せないんだと思います。自然と、きれいのピークに身体が近付くんでしょう。

 さらに「オバン」です。秋田弁で「こんばんは」。いい言葉じゃないですか。むかし『十五でオバンと呼ばれています』(紅麗威甦)という歌が流行りましたが、15歳でオバンならオバンなんでしょう。でも40代50代でもオバンじゃない人って、いっぱいいるじゃないですか。60代になるとさすがに「おばあちゃん」なのかもしれないけど、「オバン」というグレイゾーンって、ないと思う。

 そもそも気が若いのがいいことだという風潮がおかしい。齢相応に老けていったらいい、体調が悪くなっていったらいいじゃないですか。樹木の年輪が美しいと貴ばれるのに、人間だけですよ、経験を重ねてゆく日々を恥ずかしがるのは。若作りする人より、自分の年齢を恥じない人の方がずっと素敵だ(自分が年上の人が好きだというのもあるんですが)。

 あ~、また熱くなってしまった。ご清読ありがとうございました(吉村智樹)。

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by yoshimuratomoki | 2005-10-31 19:07

ジャンクフード・ジャンキース

 JR中央線・総武線『西荻窪』駅前をちんたら歩いていた時、こんな看板を見つけた。

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 『駄めし屋

 駄菓子屋は聞いたことがあるが、「駄めし屋」とは……。ここで食事をすると、赤色2号やら赤色エレジーやらで舌が真っ赤っ赤になりそうだ。

 とはいえ、どんな高級料理よりも、ウスターソースをベチャベチャかけただけのごはんが食べたい「駄めし気分な日って、ないですか? また独り暮らしの人なら、お金がない時に炊き立てごはんに塩だけかけて食べた経験が誰しもあると思う。あれ、ンまいんだ。塩ではなく蒲焼きや焼肉のタレ“だけ”のごはんもイケる。いわゆる「うなだれ定食」ってやつ。最近ではマヨネーズをごはんにかけて食べるライス・フロム・ザ・マヨラーも増えているし、「駄めし」は時にはどんな高級ディナーよりもご馳走なのだ。

 最近ンまそうだと思った駄めしは、テレビで木村祐一さんが披露していた超インスタント・ドリア。炊飯器の炊き立てごはんのなかにピザチーズを敷きつめ、保温にする。するとチーズが溶けて簡単にドリア(っぽいもの)ができあがるのだ。あれはヨダレが溢れた。唾液がメルティにとろ~ん。

 しかし西荻窪って、こういう看板、多いな! この連載で、いったい何件のニシオギ珍看板を紹介しただろう。西荻窪にはそんなにしょっちゅう行くわけでもない。だのに、訪れれば必ずケッタイな看板が見つかる。実際、実にイイ湯加減の街なのだ。おもしろ看板を許容する、度量ある“駄駅”なのかもしれない(吉村智樹)。

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by yoshimuratomoki | 2005-10-30 21:38

はれときどきぶた

 先日とある某メジャーチェーンのラーメン屋に行った時のこと。隣の客が連れ合いの女性に、「ここのトンコツスープ最高だろ? これだけトロミを出すには長時間トンコツを煮込まないと無理だよ」と話していた。確かにこの店のスープはとろりとしており、その味は、まさに天下一品なのだが……。

 実はそのラーメン屋のスープは鶏肉と野菜を煮出して作っており、豚はチャーシューにしか使っていないので有名なのだ。あまりにストロンゲストな知ったかぶりに、隣の僕まで恥ずかしくてイタタタたまれなくなった。

 そういう客への反省を促すためだろうか。東急東横線『白楽』駅前を歩いていたら、こんなラーメン屋を見つけた。

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 『ラーメン 知ったかぶりのブタ』。

 うぅ……耳に痛い店名だ。しかし食うんちく語りたがりの輩には、豚の耳に念仏だろう。

 とはいえ僕も豚にまつわる「知ったかぶり」で恥をかいたことがある。なんかの本に、「ラグビーボールは昔、豚の膀胱を膨らませて使っていた」と書いてあったので、酒の席で得意げに話をした。ちょうどトリビアブームの頃。

 ところが、これがまったくのデタラメ。ローマに大昔、豚の膀胱で作ったボールを使う球技があったらしく、これとラグビーボール起源説がごっちゃになったのだそうだ。あやうく、おだてられて木に登るところだった(吉村智樹

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by yoshimuratomoki | 2005-10-27 04:14

ストップ・メイキングセンス

 前回に引き続く、大阪ネタを紹介しています。

 今回のネタは、大阪府民なら知らぬ者なしの超有名店(ヘンな看板で、という意味で)。大阪市営地下鉄堺筋線・谷町線『南森町』駅で降り、曽根崎方向に歩けば必ず見つかるシューズショップ。「そんなまどろっこしい説明ええわ! 西天満交差点のアレやろ?」とパブロフの犬モードでお答になる方も多いだろう。

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 交差点を渡っていると、いやでも目に入ってくる『もうあかん やめます!』と書かれた垂れ幕。U2も裸足で(いや靴履いて)逃げ出す魂の叫び。通天閣や道頓堀のチェーンソー型観覧車と並び、大阪を代表するワンダースケープと呼んで過言ではな……やっぱり過言?

 読者のなかには「こんな昔っからある有名なシャウト垂れ幕、なんでいまさら取り上げるん?」と訝しく思われる方もおられるかも。実は私、この店を先ごろテレビ朝日『スーパーJチャンネル』で取材して参りました *放送日は10月28日(金)です。

 この店が「閉店セール」を始めたのは、遡ること20年以上前。もちろんそれは「いちびり」精神にのっとったもの。客から「いっこも閉店せえへんやんけ!」と因縁をつけられても、店主はキッパリ「毎晩、閉店してるがな」と言い返していたそうだ。うまい! 毅然と、いちびりを貫く。これが大阪あきんど・オブ・ソウル。

 ところがバブルが崩壊し、靴の売り上げが落ちはじめた。「もうあかん やめます!」の垂れ幕は、7年前に掲げられた。「これまではしゃれやったけど、今度はほんまなんです」という意思表示だったのだ。

 あれから、未だ閉店していない。二重いちびり状態。その理由を訊き、僕は胸の奥を掻き毟られた。

「やめたら……さびしいやろ?」

 確かに、さびしい。西天満の交差点からこのシンボルが消えたら、大阪が大阪でなくなってしまうような気が。実際、大阪に帰るたびに、僕はさびしい想いでいっぱいになる。大阪球場、南街会館、いつもお茶を飲んでいた純喫茶の数々、いつまでもあると信じて疑わなかったものが、なくなっていく……。

 この店は、イチビる心を貫く信念のもと、いまも不景気と闘っていたのである。いやマジで、この店が本当にやめた時、それは正真正銘の大阪の危機ではないだろうか(吉村智樹)。

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by yoshimuratomoki | 2005-10-25 02:33

迷い道

 前回に続き、大阪ネタをお届けしております。

 大阪市営地下鉄御堂筋線・堺筋線『動物園前』駅を下車し、毛細血管の如き路地から路地を渡り歩いていた時、この看板を見つけた。

 ひとつ曲がり角~、ひとつ間違えて~、迷い道~ ↓

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 『中華料理 くねくね

 なんだ、くねくねって。確かにラーメンの麺はくねくね縮れているけれど、ここはラーメン専門店じゃない。中華丼はどっちかといいと「とろとろ」だし、酢豚は「ごろごろ」、鶏の唐揚げは「かりかり」、海老チリは「ちりちり」(←違うだろ)、少なくとも「くねくね」はしていない。

 それとも店主自体がくねくねした人なのだろうか。デューク更家さん、あるいは真島茂樹さんのように、くねくねしながら料理を作るのか。やっぱり麺はコシが命だし。

 僕は「もんもん」としながら、るんるん気分で(意味不明)店に入った。

 頼んだものは、かた焼きそば。確かに中華あんのかかった揚げそばは、思う存分、好き放題に縮れていた。でも「くねくね」って感じでもないんだよなぁ。くねくねというより、麺がこんがらがって、わちゃわちゃ。まちゃまちゃ。エンタの神様の時だけ摩邪。はぁ?(さっきから何を書いてるのでしょう僕は)。

 店のおっちゃんに理由を訊けば、なるほど! イカにもスミにも!

 ここからは猛烈に関西ローカルな話題になります。

 関西ではむかし、『夜はクネクネ』という深夜番組を放送していた。これは毎日放送の角淳一アナウンサー(現:フリーランス)、原田伸郎さん、トミーズ雅さんが夜の街を徘徊しながら、道往く人に声をかけては面白い話を引き出すというシンプルイズベストな番組。

 行き当たりばったりな内容にも関わらず毎週とびきり面白く、実際、たいへんな人気番組だった。この店は以前は夜しかやってなかったらしく、夜にお腹をすかせて街をさまよう人たちの止まり木になればいいなと、番組の人気にあやかってこの名にしたのだそうだ。

 いい店って、確かに宛てなく歩いてる時ほど見つかるよな。くねくねと(吉村智樹


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by yoshimuratomoki | 2005-10-20 23:08

リール・ビッグ・フィッシュ

 土日は仕事で大阪に行っていました。ここんとこ週末は大阪で過ごすことが多いです。平日は東京、週末は大阪、このペースがずっと続けば最高に楽しいのですが。仕事次第ですね。そうなるように頑張ります。

 とはいえ先週土曜日の大阪は土砂降り。参りました。下着も靴下もずぶ濡れ。今回紹介するネタ(文字通り、今回は“ネタ”です)は、強い雨が降りしきるなか撮りました。おかげでレンズが濡れ、えらいサイケデリックな仕上がりになっております。

 夜、JR阪和線『堺市』駅前で、こんな看板に出くわした。

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 『まぐろのまんま

 明石家さんまさんのやっている某番組タイトルに、激しく似ている……。さんまさん司会だから『さんまのまんま』。ならばこれは漫画家の藤田まぐろ、あるいはライターの下関マグロさんのトーク番組? ま、まさか、まんまちゃんもマグロから手足が生えているのだろうか。まんぐろちゃん? なんかヤだそれ。

 日本人ほど、まぐろが好きな民族はいない。DHAだ(大好き、腹いっぱい、あきれるほどに)。赤身は美味しいし、高たんぱく低カロリー。トロは絶品。カマ焼きはコクと野趣があり、目玉は脳にいい。まぐろが嫌いな人なんて、そうそういないだろう。誰だ、「アタシ、まぐろなんて、あんま食べな~い」と言いながらツナサンドを頬張ってるやつは。世界のまぐろ漁獲の4割が日本に運ばれるというから、もはや国民魚。キジのように国鳥もいるんだから、まぐろも国魚に選んであげていいのではないか。

 しかし、案外まぐろのバックボーン(略してフィッシュボーン)は知られていない。

 根本はるみを思わせる巨体でありながら、意外にもサバ科の魚。20キロ以下はメジ、20~40キロなら中房(中坊でも厨房でもないぞ、おまいら)。それい以上だと「まぐろ」と呼ぶ出世魚なのだ実は。そう、まぐろのまんまではなかったのである。

 そんな、まぐろ話に華を咲かせながら刺身やネギま鍋に舌鼓を打ちたいものだ。でも「まぐろのまんま」だから、一匹丸ごと活け造りが食卓に乗せられたりして。尾頭付きで。漁港のライブじゃないんだから

 今回の大阪出張、、大漁旗を振りたいほどたくさんの写真を撮れたので、順次お届けいたします(吉村智樹

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by yoshimuratomoki | 2005-10-17 21:20

テイスト・ザ・ポイズン

 以前この連載で、「まずい」を逆に書き「うまい」と読ませる店を紹介した(結果的には、読ませきれていなかったのだが)。

 が、今回紹介する店は、そんな小賢しい真似はしない。堂々と胸をはって自虐しているのだ!

 JR東海道本線『平塚』駅から、かなり歩いたのち、こんな看板を見つけた。

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 『日本一まずい!! 元祖オロチョンラーメン』

 エクスクラメーションマークを2度打ちするほど、まずさに自信を持っているのだ。

 僕は、そこそこ美味いものを食うくらいなら、激しく狂おしく不味いものを食べ、あとで話のタネにしたいタイプ。チェーン店による味の画一化がはびこるいまどき、そうそう不味いものなんて食えないのだから。不味さこそ、いまや貴重なオリジン。しかも日本一ですよ!!(2度打ち)。この戦災いや千載一遇のチャンスを逃してなるものか!!!(負けじと3度打ち)。

 ところが……残念。店がクローズド。どうやらここはラーメン屋というよりラーメン居酒屋で、夜にならないと店が開かないようだ。東京に戻る時間が迫っていたので、泣く泣く帰路についた。嗚呼、食べたかったなぁ、まずいラーメン、日本一の。

 あとでラーメンに詳しい方に話を訊くと、この店は「まずい」どころか、神奈川県でも指折りに「うまい店として有名なのだとか。

 利尻直送の上質なコンブでダシをとり、スープに深みと滋味、まろみがある。具にピーマンを使っているのもワンポイント効いている。そして一日30食限定のチャーシューは特にデラ絶品。舌の上でとろけそうなほど、だとか。

 話を聞いているだけで腹が鳴るわ。なんだ、うまいんじゃん。いったい、どのへんが「日本一まずい!!」んだろう。その方も、理由は知らないという。

 「もしかしたら、こういうことかもしれない」

 その人は、もったいぶって、こう言った。この店が冠する「オロチョン」とは、辛さを意味する言葉(ちなみに、この店の登録商標)。辛さは9段階から選べる。「9」がもっとも辛い、と思いがちだが、この店は文字通り「1」が一番辛い。1から順にマイルドになってゆく。普通の店とは逆だ。

「アタシ、辛いの苦手だから」と、迂闊に9を選ぶと、確かに日本一まずい事態になってしまうんだそうだ(吉村智樹

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by yoshimuratomoki | 2005-10-13 22:08

プアボーイ・シャフル

 いつも笑える看板を紹介しているこの連載ですが、今回は笑えません。いやそれどころか、泣けます。お読みになる前にハンカチをご用意ください。

 東急東横線『都立大学』駅前を歩いていたら、こんな看板があった。

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 『ビール・ランチ・パーティ・唄 ビンボー

 書体がこれまた、いかにもビンボーって感じ。「肉を食べてない字」というか。字が痩せちゃって、哀愁をさらに増幅させている。

 わざわざ「ビール」と書いてあるということは、ビール以外の飲み物は、おそらく水道水。「唄」ってのは、きっとカラオケじゃないんだろうな。マスターが口三味線で伴奏をしてくれるんだろう。

 そんな哀しきパーティのなかで、もう涙ながらに歌いますよ。ロス・プリモスの『ラブユー貧乏』を。「皆さんは、父親の形見を、質屋に流したことがありますか?」。僕、あの歌、脊髄反射で泣けちゃうんですよ。

 胸が詰まり、思わず俯いてしまったその時、目の前に現れたものは、

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 どうやらビンボーなために、壊れた看板が直せないでいるらしい。も、も、もう無理しなくていいってば!(吉村智樹

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by yoshimuratomoki | 2005-10-11 23:05

アイ・プレディクト・ア・ライオット

 我がホームベース、JR中央線・総武線『高円寺』の駅前商店街に、こんな貼り紙がしてあった。

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  通告

 関係者以外のごみ捨て場ではありません。

 ある人が、いつもここに捨てているのは知っています。

 いつか君が捨てているのを見ますよ近日中に!!


 いままでかなりの量の注意・警告系の貼り紙や看板を採集してきたが、予言付きは初めて。書き手は水晶占いでもできるのだろうか。

 奇特な予言警告パターンだが、これは意外に効きそうだ。
 単に「自転車を停めるな」と書くより、「ここに自転車を停めた人は、パンクします近日中に!!」とかかれた方が駐輪しづらい。
「ここで立ち小便した人は、いま以上に粗末なモノになります近日中に!!」と書かれたら、立ち小便どころか半径5キロ以内に近付けない。

 しかもこの貼り紙、警告がたったひとりの男に向けられているのもさらにコワい。とはいえ「見ます」だけでは解決しないような気がするが? そこはどうなんだろう。

 で、僕はこの貼り紙をした小料理屋の女将さんに話を訊いてみた。

「うちは見ての通り、路地の奥に店があるんだけど、通路にいつもゴミを捨てる若者がいるのよ。だからゴミが邪魔でお客さんが通ってこれないの。私ずっと隠れて見てるから、犯人の顔もわかってるし、何時にゴミを出すかも知ってるのよ」

 なるほど。単なる予言ではなく、相手の行動パターンを知りつくしたうえでの通告だったのか。これだと「見ます」だけでも充分効果がある。

 で、この女将さん、誰かに似てるな~と思ったら、市原悦子だった。どうりで「見ることに長けているわけだ吉村智樹


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by yoshimuratomoki | 2005-10-06 16:18

イミテーションゴールド

 前々々回から大阪ネタをお届けしております。

 大阪市営地下鉄御堂筋線『あびこ』駅前に、こんな居酒屋があった。

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 『居酒屋 にせもんや

 居酒屋チェーンの和民が化学調味料ゼロを謳うなど本物の味が求められる昨今、こうも堂々と偽物を広言するとは。このパンクな姿勢には、胸をすく爽快さがある。パチモンライターとしては、いやがおうにもシンパシーを抱いてしまう。って、誰がパチモンライターやねん!

 ひところ、人造食品が流行った。形や味がカニ、ホタテそのものなカマボコ、ニンジンの抽出液でできたイクラ、などなど。

 80年代初頭に現れたこれら商品は、出始めの頃はケミカル臭かったりスケソウダラそのまんまの味がしたりして、食べるのに難儀した。歯も欠けんばかりに硬いイクラなんてのも。ところが研究を重ねるうちに、しだいに本物と見分けがつかなくなっていった。

 この店は、人造食材の開発に懸けた化学者へリスペクトを込め、本物と見紛う見事な加工食品ばかり食べられる居酒屋なのかもしれない。

 もしかしたら、座敷も本当は、ないのかも吉村智樹)。

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by yoshimuratomoki | 2005-10-02 13:03