ベクレディム・カチ・ゲジェ

ヤンキース元投手の伊良部が大阪市内のスナックで泥酔し、暴行事件を起こしたことがあった。
ロスでプール付き大豪邸に住んでいたほどの伊良部が、なぜそんなに荒れていたのか?

それはアメリカで経営しているうどん屋がサブプライムローン問題の煽りを受け、うまく操業できなくなり追いつめられ、苛立っていたからなのだそう。
小麦粉には心を穏やかにする効果があるそうだが、小麦粉で商う場合はどうやらその限りではないようだ。

たかがうどん、などと見くびるなかれ。
原油高、バイオエタノールオイル作製のため小麦農家が転業、さまざまな原因が絡まりあい、うどんの材料費はすべて一気に値上がりした。
一杯のうどんは世界経済の縮図。
麺のうねりはフィリップス曲線。
当然、経営が行き詰まってしまう負け組も出てくるのだ。

そんな現下、威風堂々と、

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「うどんの勝ち組」を名乗る店が登場
聞けば「讃岐うどんのコシはそのままに、大阪人の好みに合わせ本場より少し柔らかめにした」のだそう。

なるほど!
ならばぜひ、餅を乗せて「勝(か)ちん」でいただきたい。

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by yoshimuratomoki | 2010-02-28 01:40 | 大阪府

誰も知らない

お店を経営されている方はみな、放置自転車に頭を痛めている。
朝シャッターを開けると、商売の邪魔になる自転車がズラリ整列。
「(自転車だけ)行列ができる人気店」状態に。

そらもう、ムカつくだろう。
ぷよぷよで、敵陣からアワ玉を大量に放り込まれたかのような、眼の前真っ暗感。
遂に逆上し、書いた貼り紙が、これ。

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どうなっても知りません」。

ど、どうなってしまうんだろう。
試してみたい気も……(試すな)。

どうなっても、は「これ以上自転車を置くと、もう僕、別人格になっちゃいますよ」というポストビリー・ミリガン宣言であり、間違いなく穏やかではない。
店主の精神状態はもはや、ハンドルが効かないフィールドに突入しているようだ。

放置自転車といえば、コロラド、アリゾナ、ポーランドなどマウンテンバイクが盛んな地方では「自転車の部品を使ったアクセサリー作り」がひとつの産業になっているのだそう。
はじめは山小屋の経営者たちが朽ちた自転車を分解し、部品でみやげ物のアクセサリーを作っては細々と販売していた。
そんなアクセサリーがクールだと、自転車愛好家たちが注目しだしたのだ。

自転車のスポークやチェーンを使ったブレスレット、チューブやタイヤを再利用したベルトなど、まさにリ・サイクル。
これが日本でもブームになれば、あなたが停めた自転車がいつの間にか解体され、誰かの首にぶらさがっているかも。
いや、知りませんけど。

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by yoshimuratomoki | 2010-02-27 19:11 | 大阪府

死ぬほどあなたが好きだから

ひと頃、ブランド豚がたいへんなブームとなった。
たとえば東京Xや沖縄のアグー。
「バウムクーヘンだけ食べさせて育てた豚」なんてのも人気だ。
つい「その豚、輪切りにしたらどうなってるんだろ?」と考えてしまう。

ブランド豚のなかでもとりわけ花形スターなのが、スペイン原産のイベリコ豚。
脂身がきれいな霜降りになるのが特徴で、セレブが好んで食べるのだそう。
そんなセレ豚を惜し気もなくコロッケにしてしまったならば、そりゃもう、とびきりの美味に違いない。

だからって、

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死ぬほど」て。

間違いなく言いすぎだ
大阪の表現は、とかくオーバーになりがち。
ちょっと注意すると「鬼ほど怒られた」。
ちょっと背中を包丁で刺されただけで「死ぬほど痛い」(あ、これはおかしくないか)。

以前クロワッサンがおいしいと評判のベーカリーショップを取材した時のこと。
サクッと香ばしく焼きあげるコツを訊ねたら、店主はこう答えた。
「バターをアホほどいれまんねん」。
どういう単位なんだ、アホほどって。
誇大な表現は「大阪八百八橋」と呼ばれた時代から続く文化なのだ(実際は二百くらいしかない)。

それはそうとコロッケ一個250円って、高くないか? 死ぬほど。


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by yoshimuratomoki | 2010-02-26 23:25 | 大阪府

バンプ オブ チキン

電車内で読んでいたスポーツ新聞の「パパイヤ鈴木が33キロものダイエットに成功した」という記事に驚き、痩せてアフロヘアをといた姿が(故)三沢光晴にそっくりだったことにさらに驚きつつ阪神本線を下車。
「出屋敷」駅前をふらついていた時、かしわ(鶏肉)専門店で偶然見つけたのが、この貼り紙。

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字はまずいが からあげうまい

まいう」「まいう」「まいう」「まいう

「まいう~」というパパイヤ鈴木(&石塚)発のなつかしでぶや語もこうして並列に現れると、なんだか呪文のよう。
パパイヤ鈴木がおやじダンサーズを引き連れ、「まいう」「まいう」とつぶやきながら、まいむ・まいむを踊る姿が頭んなかををかけめぐり、離れない。くせになるよ。


さて、この店の看板にも書かれている「かし(わ)」。
なぜ鶏肉を「かしわ」と呼ぶのだろう。
いとし・こいしさんのむかしの漫才に「にわとりが死んだら、戒名がかしわになる」というネタがあったが、むろんそんなはずはない。
そうそう、死んだニワトリで思い出したが、君とこの嫁はん元気か?

かしわとは植物の「柏」のこと。
いにしえより日本には獣肉を植物に例えて呼ぶことを上品とする気風があった。
馬肉を「さくら」、鹿肉は「もみじ」、猪肉は「ぼたん」といったように、和鶏の褐色の羽を柏の葉になぞらえ、「かしわ」と呼んだという説が有力だ。

だから「かしわの香草焼き」なんてメニューは、葉っぱで葉っぱを焼いているみたいで、いまいち、まいうーな表現ではないようだ。

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by yoshimuratomoki | 2010-02-25 02:07

koneta

関西きってのリラクゼーションの地、それが有馬温泉郷。
世にパワースポット数あるが、ここは訪れる者をたちまち骨抜きにしてしまう脱パワーなスポット。
兵庫県民のみならず近畿人の多くが、その名を聞くだけで目がとろ~んととろけてしまう、いやしの桃源郷だ。

しかし、湯治客が決まって「あ~極楽、極楽」と口にするこの有馬に、天国への階段から蹴落とされるような恐怖のバス停がある。
その名も、

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虫地獄」。

イ、インセクト、じゃなくインパクトありすぎるネーミング。
なんだか肩までゲジゲジ風呂につからされたような、身の毛もよだつ名前だ(『あのう、ゲジゲジは節足動物唇脚綱であって昆虫じゃないんすケド?』とかさらにムシズが走ることを言わないように)。

なんでもこのバス停の立つ場所は、かつて地殻変動で炭酸ガスが噴出し、ガスにおかされて大量の昆虫が死んだという言い伝えがある。
ゆえにこの地は人々から「虫地獄」と呼ばれ、石碑まで建っている。
昆虫たちが悶え苦しみながらうねうね絡みあう様子が「虫の息」の語源ではないか? という説まであるのだ。
だ、だからって、なにもバス停にまでしなくても……。

ちなみにこの近くには「鳥地獄」と呼ばれる場所もあ(以下、ほぼ同内容のイヤな話が続く)。
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by yoshimuratomoki | 2010-02-24 21:59

彼女と私の事情

これほど具現的に「上から、目線」な警告看板は、またとお目にかかれない。

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「そんなの西成じゃなくてもダメだろ」
「彼女ができるできないの問題かよ」

こんな凡庸なツッコミなら、いくらでも思いつく。
だが、このさいとうたかおタッチな三白眼で睨まれると、どんな言葉も無力化し弾き返される。
プロビデンスの目やゲゲゲの鬼太郎に出てくるバックベアード様も白目をむくほどの目ぢから(&眉ぢから)である。

刮目すべきはこの警告看板の筆頭者と思われる「西日本 内部告発社 被害者の会」。

なんだそれは。
正体はわからんが、とにかくコワい。

内部告発をする会社組織があるとは知らなかった。
収入源は?
まさか、た、たかり……。
いやいや、これ以上の深入りはよそう。
この先も彼女ができなくなっては困る。

さて、警察庁のまとめによると、ひったくり被害の93.3%が女性なのだという。
よくママチャリのハンドルに傘を取り付けたり前カゴに蓋をつける大阪おばちゃんSTYLEがワイドショーで採りあげられるが、あれは彼女たちなりにひったくりに立ち向かうべく自作した、装甲車なのではないだろうか。

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by yoshimuratomoki | 2010-02-21 22:26

海を見ていた午後 koneta

むかし「♪海は素敵だな~、恋してるからさ~」というのんきな歌がヒットした。
さて、海への入り口が「ここ!」にあるらしいのだが、なんど目を凝らしてみても、僕には海が見えない。

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バレンタインデーだというのにロマンス皆無な僕には見えない海が、ここにはあるらしいのだが。

実はこの「海の入り口」とは、看板の真下にある自動販売機のこと。

最近、ジュースの自動販売機で海水が売られているのをご存じだろうか?

飲むのではない。
海水なんか飲んだら激しい脱水症状をひき起こし、死に至る場合もある。
飲むのではなく「観賞用」として売られているのだ。

ビンの中に海水と海藻、貝殻が入っており、ゆらゆら揺らして眺めて楽しむ。
都会で急に「海が見たいわ」なんておセンチ気分になった時、コインを投入。
これを買って、つかの間のトリップ。
小さな「海への入口」だ。

そしてビン入りの海水と海藻には、メッセージがこめられている。
地球温暖化のため海水の温度が上昇し、生態系が崩れ、世界中の海藻やサンゴが死滅しつつある。
この海水入りのビンには「水の温度がもっと冷たかったあの頃の地球を取り戻そう」という主張がある。
だから自販機では「冷た~い」の温度設定で売られている。

というのはデタラメで、実はこの看板、自動販売機の裏にダイビングスクールがあることを示したものだった。
そらわからんわ。

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by yoshimuratomoki | 2010-02-14 11:00

悪魔を憐れむ歌 koneta



放火魔、断末魔、通り魔などなど、街にはさまざまな魔がひそんでいる。
なかにはメモ魔なんて怖くもなんともない小悪魔もいるが、おうおうにして「魔」たちはひどくまがまがしく、我々に大きな不幸をもたらすものだ。

京都の六原で、それら魔界のボスキャラに遭遇した。
そいつの名は「災害魔」。

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人災も天災もひっくるめ驚異の品ぞろえを誇る、魔のメガストアだ。
しかもそいつは「手かげん無情」という、まるでアン・ルイスの歌のタイトルみたいな状態で襲い来るのだからたまらない。
きっとあんなふうに赤い髪を振り乱してやってくるんでございやすのだろう。

この六原という地名は、仏教用語の「六波羅蜜」(6種類の修行)に由来する。
この地はこの世とあの世の境界だとされ、閻魔大王の裁定を受ける場だった。
だからこの街では、日々の暮らしにおいて「魔」に対する畏と敬の念が強く残っているのだろう。

とはいえ「おそすぎた!」と言われると、自主防災では歯が立たないんじゃないかとつい疑心暗鬼魔になってしまう。
とりあえず魔除の鬼瓦でも置こうか。
うち、マンションだけど。
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by yoshimuratomoki | 2010-02-13 13:01

哀しくてジェラシー


恋愛をより甘く熟成させるためには、時にはピリッと隠し味を効かせることも必要だ。
特に「ジェラシー」という名の調味料は、わずかな量で、恋を燃えるように赤く実らせる効果がある。

しかし、適量を見誤れば、取り返しのつかないことになるのでご注意。

自分が嫉妬深い人間であることを自覚したのは、およそ10年前。
遠距離恋愛していた彼女をフリーのカメラマンに寝取られたときだった。
しかも「君のヌードが撮りたい」が殺し文句だったというから、耐えられない。
ちくちょう! 撮るなら俺のヌードを撮れよ!(なんで?)。

激ギレした僕はまさに「嫉妬に狂った」盲獣と化し、まともな思考ができなくなり、知り合いのカメラマン全員との関係を断ち切った。
浮気相手だけではなく、カメラマンという職業に就くすべての人間が許せなくなったのだ。

もちろん言いがかり以外のなにものでもない。
八つ当たりされた人たちは、たまったもんじゃなかっただろう。

でもあのときは、とても冷静ではいられなかった。
「JEALOUSYを眠らせて!」と叫んでも、もう止まらない。
とばっちりを喰らったカメラマン全員にお詫びするしかない。

話はちと変わるが、神戸電鉄有馬線「山の街」という、のほほんとした名前の駅がある。

▼鄙びた街の、旅情を感じさせる駅舎。

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そして、この駅の徒歩エリア内に、「やきもち地蔵」と呼ばれる地蔵菩薩が祀られている。

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▼交差点の名前も、ちゃんと「やきもち地蔵」前。

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さて、このお地蔵さん、「笠地蔵の野郎! あいつだけメジャーになりやがって! 人数多いからってEXILE気取りかよ!」と、やけに嫉妬深いのである。

……というのは、あたりまえだが、もち、ウソ。

お正月に、ある土工の家の夢枕にお地蔵さんが立ち、「土砂崩れでゆるんだ土橋を修理してください」と懇願した。
土工はお地蔵さんの突然の来訪に驚き、とりあえず正月なので餅を焼いてさしだした。
するとお地蔵さんはたいそう喜び、その餅を美味しそうに食べた。

翌朝、土工が橋の修理に出かけたところ、お地蔵さんが石積みの下敷きになって埋もれていたという。
昨夜枕元にやってきたお地蔵さんは、救助を求めにきた中の人だったのだ(中の人っていう表現が適切かどうか知らんけど)。

そしてそのお地蔵さんを救出して安置すると、再びたいそう喜び、ひとつだけ願いを叶えてくれたのだそう。
「ひとつだけ」ってところが、お地蔵さんの身の丈にあっていて、かわいい。
さらに気前のいいことに、それ以来、焼き餅をお供えすると、願いを(最低ひとつ)叶えてくれるようになったのだという。

単に焼いた餅が好きだから、やきもち地蔵。
なんてピュアなんだ!

そんな裏表のない性格のお地蔵さんに、腹黒い僕はまたまた嫉妬してしまうのである。

▼「だってお餅、好きなんだも~ん」と言いたげな、あどけないほほえみ。

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by yoshimuratomoki | 2010-02-07 20:46

炎のエスカルゴ

兵庫県を南へ走る地下鉄海岸線に「中央市場前」という駅がある。
シーサイドのきわきわに位置するここは、活気に満ちた「中央卸売市場」の最寄り駅だ。

この駅を利用する人のほとんどが料理関係者。
アマチュアが立ち寄ることは、まずない。
早朝から青果鮮魚精肉を求めるコックさんや板前さんが詰めかけ、昼下がりにはもう“終電”の様相を呈す。

そんな場所柄だから、喫茶店の名前さえも完全プロ志向
なんと、

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喫茶「火の用心」。

繁華街では見かけない、というかありえない店名。

しかし厨房で火を扱う人々にとっては、コ洒落た名前の難読カフェより、ずっと目がさめるネーミングだろう。
マスター自身が過去に、標語を店名にしなきゃ気が済まないほど、ハートに火がつけられる出来事があったのかもしれない。
看板に取り付けられた、赤いパトランプが意味深だ。

さて私ごとだが、大阪の四天王寺に引っ越した。
ハイソなエリアでありながら、家賃は破格に安い。
理由は、老朽化が激しい木造物件だから。

入居に際し、大家が僕に出した条件は「ぜったいに喫煙しないこと」。
火事になったら瞬時に灰と化す乾きった家屋なので、火の気を少しでも絶ちたいから、とのこと。

おかげで高校時代から続く長い喫煙歴にやっとピリオドが打てた。
転居後はタバコを一本も吸っていない。
身体の調子がすこぶるいい。

健康のために「火の用心」。オススメだ!
(薦めるとかいうもんでもないだろうが)。
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by yoshimuratomoki | 2010-02-06 14:38