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一位の座を奪われたアイドルの絶叫

まるで全国民が熱狂しているかのように伝えられる「あまちゃん」は、こと関西においては視聴率がまったくふるわない。
もともと「あめちゃん」文化圏ゆえ、その牙城を崩すのは難しいようだ。

この番組に限らず、近年の関西は「なんにも流行らない」状況が続いている。
日本一高いビルができてなおトレンドがびくともしない関西は、ラテン系だとイメージされるケンミン性から実はもっとも遠い、クールな気質が根づいているのだろう。
テレビでよく見る“いかにも”な関西人は、もうテレビの中にしか棲んではいない。

そんな関西において、唯一といってよい、本当にブームになったもの。
それは「パンケーキ」。

ここ数年でパンケーキショップのニューオープンがどれほどたて続いたことか。
蓮舫でなくとも「ホットケーキじゃダメなんですか!」と問い質したくなるほど、薄くて丸くてふにゃふにゃした、三笠焼のあんこ抜きみたいな、たよんない形状の粉モンが巷を席巻し、その勢いはいまだとどまることを知らない。

そしてパンケーキの余波を受け、カフェスイーツクイーンの座から陥落したのが、ワッフル

一時はあれほど「カリカリしてて香ばしい」「蜜蜜しててしっとり」ともてはやされたワッフルは、時代の流れだろうか、カリカリもミツミツもしていないカフェ版一銭洋食にトップを奪われた。
重みのある甘みが好まれなくなったのだろうか。

そういえば、単なる僕の感想でしかなくソースもないが、都市部の街角でよくあったワッフルのテイクアウトのお店、最近減っている気がするんだけど…。

しかしながら、ひとたびスポットライトを浴びると、その甘い記憶をそうやすやすと忘れることはできない。
もう一度、一位に返り咲きたい!
ショウケースの片隅から、ワッフルの叫び声が聞こえてくる。

こんなふうに。

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# by yoshimuratomoki | 2013-09-04 19:49 | 京都府

これで家出しても安心

カメラバッグ、ゴルフバッグ、パソコンのキャリングバッグなど、世の中にはさまざまな専用バッグがある。

とはいえ天神橋筋商店街で見つけたこのバッグには驚いた。

これで家出しても安心_a0037241_16132225.jpg


家出用バッグ

いったい中はどうなっているんだろう。
カツラや付け髭など別人になりすませる変装用具一式が入っているとか、開くと寝袋になるとか? 

僕は家出も駆け落ちも経験がない、くそつまらない凡庸な生き方しかしてこれなかったが、知人にはけっこう家出経験者が多い。
なかには中学校卒業と同時に家出をし、そのままもうすぐ40歳を迎えようというツワモノもいる
かつて『ホームレス中学生』という本がベストセラーとなったが、彼もまた家など借りられず、ホームレス中学生ならぬホームレス中卒となった。

ではなぜ家出が成功したのか。
それは当時市場に出回り始めたカセットコンロと雪平鍋と塩をかばんに詰めて家を出たからだそうだ。
公園で生ごみを煮て食べ、ガス燃料が切れる前に女を作り、アパートの転がり込んで同棲を始めたという凄まじいバッグ……グラウンドの持ち主なのである。

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# by yoshimuratomoki | 2013-09-01 16:17 | 大阪府

秋祭りといえば

処暑と呼ばれる日を過ぎてなお、まだまだ暑い日が続く。
とはいえ空にはうろこ雲が広がり、遠くの村から笛や太鼓など祭りを準備する音が聞こえてくると、秋の訪れを感じずにはいられない。

日本を代表する秋祭りといえば、やはり、

秋祭りといえば_a0037241_21342095.jpg


学生ズボンまつり」にとどめをさす
これに異論を唱える人はまずいないだろう。

日本に住んでいながら、メイドインジャパンのものになかなか触れることができない時代だ。
安い衣料品で国産のものを見つけるのは至難の業。
浴衣や帯、足袋など和服ですら、既製品なら中国製が当たり前。

そんなご時世にあって、国内の9割が国産品という素晴らしい衣服がある。
それが学生服

日本の学生服の9割が国内で作られ、さらにそのうち7割は岡山県倉敷市の児島で生産されているというから驚く。
年間を通じて降雨量が少なく、干拓地が多い児島地区では、江戸時代より綿の栽培と足袋の製造が盛んで、この足袋生産で培った技術がのちの学生服産業となった。

ゆえにこの地域では、綿花の玉がはじける9月になると、大人たちが頭に学生ズボンをかぶり、ベルトを振り回しつつ「勉強しない子はいねが~」「宿題やってねえ子はいねが~」と叫びながら練り歩く収穫祭「学生ズボンまつり」が行われる

そして不良学生めがけて大きな柑橘類をぶつけることから、改造学生ズボンのことを「ボンタン」と呼ぶようになったとか。

知らんけど。

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# by yoshimuratomoki | 2013-08-31 21:36 | 滋賀県

「高橋、冷麺また始めるってよ」

このところとても涼しい日が続き、深夜は長袖に着替えることすらあった。

「ああ、このまま秋になればいいな」と思っていたのだが、考え激甘だった。
猛烈な暑さが、ぶりっと、ぶり返してきたのである。

一度は去った熱帯夜が再び続くとなれば、飲食店はひとたび仕舞ったかき氷のマシンをまた引っ張り出さなきゃいけないだろう。
コンビニは秋仕様で始めた肉まんの補充量を計算しなおさなきゃならないだろうし、ラーメン店は一度打ち切った冷麺を再開しなきゃならないだろう。

たとえば、この貼り紙のように。

「高橋、冷麺また始めるってよ」_a0037241_13132828.jpg


さてここで問題なのは、「高橋さん」と「冷麺」の関係性だ。

1、冷麺が大好きだった常連客の高橋さん。
涼しくなって冷麺がメニューから消え、心底がっかりしている様子だった。
そんな高橋さんへ向けた、冷麺再始動のメッセージ。

2、「ラーメンは熱いものと決まっている。冷麺なぞもってのほか」というアツアツラーメン原理主義の自称グルメ評論家・高橋さんへ向けた店側のアンチテーゼ。

3、伝説と呼ばれた冷麺のレシピを残し、天へと召された神業の調理人・高橋さん。
そんな高橋さんへ「また今年も、あなたが遺してくれた冷麺、始めさせていただきます!」という誓いの言葉。

4、かつて小泉今日子が自分のことを「コイズミさん」と呼んでいたように、「高橋さん(自分のこと)、冷麺また始めました、みたいな(てへぺろ)」と、ちょいとトンガリキッズ気取りの貼り紙。

なんだろうね、高橋さん。

しかしそれより気になるのが、ここで言う冷麺が、果たして「冷麺なのか冷やし中華なのか」、ということだ。
(関西では、冷麺と冷やし中華は別の食べものなのです

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# by yoshimuratomoki | 2013-08-30 13:16 | 大阪府

「彼女募集中」です

京都の東大路通りを歩いていたときのこと。
足元から、ただならぬ悲しい波動が伝わってくるのを感じ、ふと地面を見たら、これが貼ってあった。

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彼女募集中

こんな汚い合板の木端に殴り書きして、しかもアスファルトに直接貼りつけたところで、彼女なんて見つからないだろう。

とはいえ、恋を失ってうつむいて歩いている女子には、この地底からの叫びが、案外効くのかもしれない。
「上を向いて歩こう」は名曲には違いないが、実際問題、人間は上を向きながら歩き続けることなんてできないのだから

「上を向け」「前向きに」と、自分にうそをついて無理にポジティブに生きていると、道端に落ちている恋に気がつかず、通り過ぎてしまう。
楽天的もいいけれど、落転的な気分の日が自分を救う場合もある。

ところでこの募集、どこに応募すればいいの?


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# by yoshimuratomoki | 2013-08-29 15:09 | 京都府