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マディ・ウオーターズ

 前々回、「山城新伍の店か?!」とツッコミたくなる店を紹介したが、今度は思わず「山野愛子の店かよ!」な物件を見つけた。

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 すし処が、なぜ「どろんこ」? ままごとの店? 寿司を握る時は、できれば手を洗っていただきたいのだが。

 そもそも魚介類を料理するということは、泥臭さを取り除く闘いでもある。ナマコを料理する時は、ひと晩塩水につけて泥を吐かせる。スッポンは一ケ月も「泥吐かせ」用の水槽につける。鯉に至っては、水底がさらさらの砂の池に移し、ひと冬越さなければ泥臭さが抜けないという。それくらい魚介類や水棲動物の料理は、泥を抜くのが大変なのだ。

 とはいえ、世界には泥を使った変わった料理もある。魚介類ではないが、中華料理には泥を用いた調理法があるのだ。昔、長江の南方を放浪していた男が鶏を手に入れた。ところが調理する鍋がない。そこで仕方なく鶏を蓮の葉に包み、そのうえから泥を塗りたくって火にくべたところ、これがたいへん美味しい蒸鶏になった。この味がコックたちに伝わり、いまでは高級料理になった。もしかしたら、この店は本邦初の「泥蒸し寿司」の店なのかも

*ちなみに、この店は渋谷の駅前で見つけたもの。渋谷にだってこういう店があるから油断ならない。ま、渋谷といっても小田急江ノ島線『高座渋谷』駅前だが。

by yoshimuratomoki | 2004-11-01 09:41