アイ・ヘイト・ユー

 これは東京メトロ南北線・有楽町線、JR中央線・総武線、都営新宿線『市ケ谷』駅前で見つけた看板。

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 PUB『きらい』……。まだ入ってもいない店に、いきなり嫌われてしまった……。それとも、本当は小料理屋がやりたくて、パブの開店は不本意だったのだろうか

 きらいといえば、おれにはひとつだけ食べられない惣菜がある。もともと食べ物の好き嫌いは、ないに等しい人間だ。たいていのものをおいしく食べられるし、大好物ならば、たとえ地面に落ちても3秒以内だったら食べる。それくらい食にはこだわらない。

 なのに一品、「切り干し大根の煮つけ」だけ、どうしても食べられない。見ただけで怯え、手が震えて箸をつけることすらままならない。もしおれが『食わず嫌い王』に出ることになったら、たちまち吐いてしまって即バレるだろう(まぁ、出る予定はないが)。

 「そんなに嫌いなら、食べなきゃいいじゃないか」と思うかもしれない。ところがこの切り干し大根の煮つけ、飲み屋にそういう法律でもあるのかと思うほど、高確立で付きだしとしてご登場なさる。頼んでもいないのに、目の前にご本人さん登場。好むと好まざるとにかかわらず、涙のご対面とあいなってしまう。

 「付きだしなんて、よけときゃいいじゃないか」と思われるかもしれない。しかし、味以前にニオイがダメなのだ。だから飲み屋で切り干し大根の煮つけが付きだされると、あたり一面○○に激似なニオイがたちこめ(○○はご想像におまかせします。かなりイヤなものです)、その日は誰がなにを話していたか記憶の履歴が削除されるほど頭はクラクラお目めはグルグル、だっよ~ん♪ になってしまう。もうほんと、勘弁してください。皿洗いでもなんでもしますから。

 だから飲み屋に行くたび緊張する。「付きだしに、なにが出てくるか」気が気じゃない。そういえば先日、小岩の駅前でたまたま入った居酒屋が凄かった。まだなにも頼んでないのに、金目鯛の煮つけや山盛りの春巻、天ぷらがどんどん運ばれてくる。不安になって「あの、これ頼んでないですけど……」と告げると、「あ、心配しないで。付きだしだから」。これぜんぶ、付きだしですか!?

 おかげで付きだしだけで腹いっぱいになり、料金がかなり安くついた。いったいどうやって経営なりたってるんだろう。もちろんこの店、『すき』だ。(吉村智樹
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by yoshimuratomoki | 2005-02-19 16:02