バンドハズノーネーム

 前回に続き、広島ネタをお届けします。

 ハンパなく暑い日で、そのためかどこも人通りがまったくない。商店街も歩いたんだが、定休日でもないのに人が歩いていない。
 暑いから屋内にいるのかな? それともみんなホリエモンとしずかちゃんで沸く尾道に行ってしまったんだろうか。

 広島に限らず、どこの街でも、Fuっとノーバディになる瞬間がある。
 日がな一日ぶらぶらと街をさまよっていると、さっきまで賑やかだったのに、わずか5分ほど通りが無人になるミラクルへんてこな瞬間があるのだ。長大な商店街にも関わらず、まるで地球が終わったかのように僕以外に誰も歩いていない。そんな刹那に遭遇したことが何度かある。そして、それはとても愛しい時間だ。

 感情もそう。
 感情には「嬉しい」「悲しい」「はがゆい」など、さまざまな名前がつけられている。
 でも僕はまれに「名前のない感情」に包まれることがある。

 入稿を終えたあと、たまり放題たまったメールを返し終えたあと、街歩きをしている時、一瞬なんの言葉も感情も沸かないただのまぬけな肉塊になる。嬉しくも、面白くも、おいしくもない。凪のように、おだやか。感情に名前がなくなる、そんなたまゆらタイムが僕は好きだ。喜怒も哀楽もない幸福、そんなのもある。はた目には、そうとうとんま顔でボ~ッとしてるんだろうけど。

 この日も『福山』駅前を歩きながらそんなトリップがあったのだが、そのおりに見つけた看板がこれ。

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 『カラオケ居酒屋 名なし

 なんの変哲もない道。人通りも音もなく、特に情趣もなく、風も吹かないこの日に、店名までない居酒屋に出会う。今日は「名もなき、されど忘れられない日」になりそうだ。それとも、2ちゃんねらー行きつけの店か?(吉村智樹)。

吉村智樹が無責任編集 おしゃべりWEBマガジン『日刊 耳カキ』。
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by yoshimuratomoki | 2005-08-31 17:07