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ストレート・トゥ・ヘル

 今回のエントリーを以て、当ブログ連載、200回目を迎えました! やったー! おめでとうございます俺。ありがとうございます俺。

 200回目にちなんで探したわけでもないのに、200回目にちなまざるを得ない、ヘンな看板の原点とも言うべき直球な、ストレートな物件に出くわした。

 これは東急東横線『学芸大学』駅前で見つけたもの。

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 『ぶす

 しのごの言わず、ぶす。単刀直入に、ぶす。正々堂々と、ぶす。逃げも隠れもしない、ぶす。

 「ぶす」以外、なにも書かれていない。
 どうも小料理スナックのようなのだが、業種すら書かれていない。
 普通こういうスナックは「ブスッ子倶楽部」「美人お断り」など、なんらかの洒落っ気のあるギミックが付随するもの。しかしこの店はただ平仮名2文字を筆タッチで、ぶす。冗談ではなく、本気でぶすなのだと言わんばかりの威風堂々。書画の趣すら感じる。

 しかし最近、「ぶす」って密かに死語化してませんか
 いや「下半身ブス」「毒溜めブス」など、女性誌が不健全なライフスタイルに警鈴を発するためには今でも用いられること山の如しだが、女性の顔を見て「あいつブスだよな」とか言わなくなった。いいことだ。

 これはきっと死語化したのではなく、ブスそのものが街からいなくなったんだと思う。無駄に長く生きていて思うのは、びっくりするくらい本当に女性がきれいになりましたよね。昔はマジでおすぎとピーコを足して2で割ったような女の人がいた。いまそんな人、見たことない。

 そもそも「ぶす」とはトリカブトの毒のこと。
 これを誤って口に含むと神経系の機能が麻痺し動けなくなり、無表情になる。この無表情の状態を語源として、人の顔を悪しざまに「ぶす」と呼ぶようになった。つまり昔は無表情こそ醜いとされていたのだ。
 そう考えたら「ぶす」は、永きに渡って意味の履き違え、誤用されてきたといえなくもない。

 鼻の高低や瞼が一重か二重かなんてことより、喜怒哀楽の表情をストレートに顔に出せない世の中の方が、もっと「ぶす」だ。たまにはスナック「ぶす」で飲んで、溜まった言葉を吐き、感情のデトックスしよう(吉村智樹

ながらく休んでおりました日記ブログ、再開しました。毎日書くよう努めます。
exciteブログ『吉村智樹の湘南ハートブレイク


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by yoshimuratomoki | 2006-03-16 23:27