ブラッディ・イミテーション・ソサイエティ

 いま画壇は、某画家の盗作疑惑で大騒ぎだ。

 見較べてみると、アート・シロートの僕ですら「これはもう、ぴったし、いや、ぴったんこカンカン!」と鐘を鳴らさずにいはられないほどジャストマッチ。ていうか、盗作じゃなくて模写じゃないのかコレ? と思えるほど。そのなかで一作だけ、原画より女性のスカートがたくしあがってる絵があった。露になった太腿に、やっと作者の微かなオリジナリティを見つけて少しホッとしたり。

 これほどクリソツでありながら盗作ではないと謳うこともあれば、その逆もある。例えば、こんな……。

 お友達のがんこさんと東京メトロ丸ノ内線『西新宿』駅近くのお好み焼屋に行ったときのこと。メニューに、沖縄ミカン「シークワーサー」のサワー、「シークワーサーサワー」という、なんとなく回文っぽい名前の酒があった。しかも、ご丁寧に「本物」と「偽物」があるのだ。

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 本物と偽物、しかもどちらも「当店オリジナル」だ。僕は本物より「オリジナルな偽物」のほうに興が乗った。

 美術の世界では、贋作も究極を突き詰めると新たな価値が生まれる。また、「サンプリング」「トリビュート」という文化もある。肝要なのは本物か偽物か、ではない。オリジナリティだ。僕は「つまらない本物より、おもしろい偽物」を好むタチ。味気ないリアルより、味わい深いフェイクを! オリジナルLOVE!

 これはきっと「あなたは本物と偽物、見分けがつきますか?」と店主に勝負を挑まれているのだ。よし、両方頼んでやろう! 敢えてどちらが本物か聞かず、我がの舌だけで格付けしてやろうじゃないか。

 で、出てきたのが、コレ。

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 意外だった。てっきり、偽物は「本物ソックリ」なんだと思いこんでいた。さにあらず。ふたつとも似ても似つかない、まったく別のものだったのだ。ひとつは、いかにも柑橘たっぷり。もうひとつは、無色透明。ものすごい「ひっかけ問題」である。なんせ本物のシークワーサーを口にしたことがないのだから。

 意外と「いかにもミカン色」のこっちが偽物なのかもしれない。だって、あまりにもそのまんまだもの。いかにも本物らしい人を、まず疑え。これは僕が先日上梓した単行本『女優魂』の鉄則だ(と、さりげなぁく宣伝。買ってね)(←さりげなくない)。

 僕は子供の頃に観ていた特撮番組『アイアンキング』を思い出していた。この番組には、いかにも腕利きの国家警備機構工作員の美青年と、なんの取り得もないドジなブ男が出てくる。しかし、スーパーヒーロー「アイアンキング」に変身するのは、実はブ男のほうという、特撮ヒーローもの史上画期的にもほどがある番組だった。このサワーも、きっとアイアンキングパターンに違いない。

 どっちも酸っぱくて美味しいが、とはいえあまりにも味が違いすぎて結局皆目わからず、白旗を振って店の人に尋いてみた。すると、結果は、

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 そ、そのまんまだった! ひっかけの、さらに上を行くひっかけ。参った! 安田大サーカスKUROちゃんの、「お前、森進一のマネしてみ」「こんばんはー! 森進一でーす!」「どこがやねん!」の方のパターンだったワサー(吉村智樹)。


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by yoshimuratomoki | 2006-06-11 22:56